配信概要

 ■配信期間: 令和6年6月24日13:00(月) ~ 7月19日(月)16:00
 ■方  式:オンデマンド配信(ビデオ配信)
 ■主  催 : 全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会実行委員会
       (実行委員長:国土交通省水管理・国土保全局砂防部保全課 土砂災害対策室長 )

※注意事項

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【目次】

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  1. 発注者による講演(中部地方整備局)
  2. 発表論文(直轄砂防事務所)
  3. 発表論文(都道府県)
  4. 有益な取組み事例
  5. 主催者挨拶
  6. 論文選考委員長講評
  7. 砂防図書館へ論文寄贈
  8. 研究発表会の総括
  9. 表彰式
  10. 実行委員並びに論文選考委員
  11. ご意見・ご感想

論文集

本研究発表会の論文集が必要な方は下記の画像をクリックしダウンロードをしてください。

発注者による講演

中部地方整備局 河川工事課長 神本 崇

論文発表(直轄)

株式会社伊藤工業 現場代理人・監理技術者 荒 雅秀【苫小牧砂防海岸事務所 発注工事】

菱和建設株式会社 監理技術者 松原 建一【岩手河川国道事務所 発注工事】

静和工業株式会社 現場担当者 堀池 陸玖【富士砂防事務所 発注工事】

奥田工業株式会社 現場代理人・監理技術者 小幡 敦【多治見砂防国道事務所 発注工事】

東急建設株式会社 監理技術者 小寺 光秀【紀伊山系砂防事務所 発注工事】

株式会社姫野組※現 藤川土建所属 現場代理人・監理技術者 田野 正博【四国山地砂防事務所 発注工事】

論文発表(都道府県)

株式会社エヌティーエス 現場代理人・監理技術者 高橋 元幸【福島県 県北建設事務所 発注工事】

株式会社フクザワコーポレーション 監理技術者 中沢 実【長野県 北信建設事務所 発注工事】

有益な取組事例の紹介

木曽土建工業株式会社 令和4年度 木曽川水系十王沢第2砂防堰堤改築工事【多治見砂防国道事務所 発注工事】

株式会社轟組 令和4-5年度 吉野川水系境谷堰堤工事【四国山地砂防事務所 発注工事】

主催者挨拶

 本日、砂防部長の草野が他の公務により欠席のため、保全課の蒲原が代理で挨拶を行います。

 皆様こんにちわ、全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会に、御参加いただき、感謝申し上げます。 
 また、日頃より砂防関係工事等の安全施工を始め、事業の推進にご尽力いただき、厚くお礼を申し上げます。

 本発表会は、平成8年12月6日、長野県と新潟県を流れる姫川の支川蒲原沢において発生した土石流により、当時、災害復旧工事に従事されていた14名の方が犠牲になられた『蒲原沢土石流災害』を教訓として実施してきております。

 この災害を契機に、労働安全衛生規則が改正され、土石流が発生する恐れのある渓流等で建設工事を行う際には、土石流の発生を考慮した安全対策を行うことが規定されています。

 特に、地形等の現場条件が厳しい砂防工事においては、現場にあった安全対策と創意工夫が欠かせません。このため、砂防関係工事の現場における建設労働災害の根絶を目指し、
 ・他工事の安全対策技術の情報共有化による技術向上
 ・発表者と参加者との意見交換による技術向上
 等を目的に、各工事現場で取り組んでいる安全対策の発表会を平成11年度から毎年実施してきております。また、平成26年度からは、『土砂災害防止月間』の行事として位置付けました。

 本日の発表会では、全国から応募のあった約393編の「令和5年度に行われた砂防関係工事に関する論文」の中から、選考委員会で選ばれた8つの優秀論文について発表を行います。また、有益な取り組み事例として同じく選考委員会で選ばれた2つの論文についてご紹介いただきます。お忙しい中で論文を作成し応募して下さった皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

 最後に、本発表会の開催にあたり、実行委員会や論文選考委員会にメンバーとして参画いただいた『小山内論文選考委員長』をはじめとした皆様方に絶大なご尽力・協力を頂きました。改めて、感謝申し上げる次第です。

 本日の発表会が、将来の砂防関係工事の安全な実施と実現に資する有意義なものになることを祈念し、開会に当たっての挨拶とさせて頂きます。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。

国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部 保全課
保全課長  蒲原 潤一

論文選考委員長講評

 本日は工事安全施工研究発表会に大変多くの方に参加いただきまして、ありがとうございます。今回の論文選考につきましては、蒲原保全課長の挨拶にもありましたが、約400件という非常に多くの研究成果の中から選ぶということで、いずれの論文も非常に創意工夫のあったすばらしいものでした。その中からあえて選ばせていただいたということになります。

 内容的には大きく分けて2つの方向性があるのかなと思っております。

 一つは最新の技術を導入することによって、さまざまな情報を速やかに関係者の間で共有し、その結果、危険を回避するというもの。

 もう一つは、新規技術を導入するかどうかにかかわらず、現場で非常に大変な苦労をされている部分を何とか工夫し改善していき、結果的にそれが安全施工につながるというもの。

 特に感じたのは、3~4年前に現場にIT化の波が押し寄せたという感じを受けていますが、当時はどちらかというと大手の業者さんが試行的に現場に取り入れるというような感じでした。

 論文もどちらかというと、大手の業者さんの独壇場という感じでしたが、それが現在では、かなり多くの業者さんにその技術が伝わり、ごく普通に安全管理に使われているという意味でも、この研究発表会で先進的な技術を紹介するということで一気に現場での安全確保体制に浸透させることができていると感じております。

 また、この研究発表会は平成8年の蒲原沢の災害を契機にしていますが、その災害ときっかけとなったその前の年の平成7年の北信越災害では、私は当時土木研究所にいた関係で、平成7年時点から何度も現場に行きました。

 蒲原沢についても、非常に山奥の険しい谷で人が入っていくということはほとんど不可能な状況であったため、当時危険かどうかわかりにくく結果的に状況を必ずしも詳細には把握できないままに復旧工事を進めている状態でした。
 もちろん、空中写真などでは確認をしていましたが、情報の少なさの中で工事をせざるを得なかったのだと今から振り返ると感じております。

 極力、不安な部分を払拭するためにも、新たな技術・新たな工夫をすることで、現地での事故が少なくなるように祈念して、簡単でございますが、選考のご報告とさせていただきます。

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会論文選考委員会 論文選考委員長
北海道大学 客員教授 小山内 信智

砂防図書館へ論文寄贈

砂防図書館長
石川 芳治 殿

令和6年度
全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会
論 文 寄 贈

 砂防関係工事を担当いただいている全国の現場代理人等の方々は、現場の安全管理を最重要課題として、日々、安全施工技術の研鑽に努められ、国民の命と暮らしを守る砂防関係工事の完成に向けてご尽力されています。

 このような取組の成果として、令和5年度は全国の安全協議会等が主催する研究発表会に、研究論文として計393編の応募がありました。これらの論文は、現場代理人をはじめとした現場に携わる技術者の皆さんの努力の賜物であります。

 今般、将来の砂防関係工事の安全施工管理を担う方々にとって参考となることを願い、全国から応募された論文を取り纏めましたので、砂防図書館に寄贈させていただきます。

令和6年6月14日
国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部
砂防部長  草野 愼一

過年度の論文につきましても砂防図書館へ寄贈しております。

砂防図書館長コメント

 本日は本発表会の開催おめでとうございます。
 この発表会にお呼びいただき、大変ありとうございます。
 発表会は毎年出席しており楽しみにしています。

 現場での安全施工に係る新しい研究や、新しい工法、新しい機械などを発表していただき、最近のデジタル化の波など最新の情報を得ることができ、非常に興味深く思っています。
 i-Constructionということで、国土交通省では情報のデジタル化やICT施工等が進められていますが、先程小山内先生からお話がありましたように、全国的に広がってきており、私たちの若い頃に比べ本当に隔世の感があります。
 今年は更に、i-Constructionも2.0ということで次のステップに入り、徐々にオートメーション化が進められようとしています。オートメーション化が進むの一方で、安全施工も可能になると思われるので是非お願いします。

 私、今月(6月)能登半島に行ってまいりました。非常に大きな崩壊地の下で河道閉塞の対策工事が施工されていました。危険な場所が多いところでしたが、安全管理を徹底して施工されていることに非常に感動しました。
 これからも安全管理を徹底して進めていただければと思っています。

 私共砂防図書館では、全国の砂防関係の資料を沢山扱っておりますので、ご利用いただきたいと思っています。過去の文献などを沢山保有し参考になるものがあると思いますので、必要な資料がありましたら電話やメールでお問合せいただければ探してコピー等をお送りしますので、よろしくお願いします。

今日はどうもありがとうございました。

砂防図書館課長 石川 芳治

研究発表会の総括

 受賞者の皆様、発表ありがとうございました。
 今年度の研究発表会の総括的なコメントということで一言申し上げさせていただきたいと思います。

 株式会社伊藤工業の荒様の現場ですが、不感地帯で通信会社との連携により通信環境を確保することによって、現場状況の把握などの情報共有を可能にされたということで、大変参考になる取組だったかと思います。
 また、鋼矢板のセグメント建て込み時の工夫など、非常によく現場の危険性を分析されて現場環境の改善に努められている有意義な取組であったと思います。

 菱和建設株式会社の松原様の現場は、地すべりが予測される現場で必要な動態観測についてきちんと理解され、ICTを活用しながら複数の手段をとって安全な施工に取り組まれた事例であったと思います。

 静和工業株式会社の堀池様の現場では、狭隘且つ高低差のある地すべり対策工事の現場において視覚に訴えるような安全対策に取り組まれておりました。
 特に、クレーンの旋回範囲や深礎杭作業時の安全管理の見える化の取り組みについては、地すべり工事において創意工夫をされた有意義な事例であったと思います。

 奥田工業株式会社の小幡様の現場では、土石流が予想される現場における災害発生時の避難体制の確保についてよく取り組まれており、実際の避難時間や災害が発生し得る状況を想定した検討・訓練に取り組まれたことが非常に参考になった事例だと思います。
 加えまして、地域への社会貢献の実施や、自ら定めた安全目標ののぼり旗設置、家族写真を用いた安全ポスターを掲示する等、現場の雰囲気作りが安全管理の面でも重要であるとした発想が、非常に良い視点であったと感じたところでございます。

 東急建設株式会社の小寺様の現場では、一般的なトンネルと比較し幅員が狭いことからICTなどを用いて、様々な安全対策の工夫に取り組まれておりました。
 また、働き方改革としてクラウドサービスを活用して、現場の施工管理や連絡体制を確保することにより、作業の効率化・省力化を図ることが、安全管理の面でも重要だという視点が非常に参考になりました。

 株式会社姫野組(現:株式会社 藤川土建)の田野様の現場では、山間部の狭隘かつ急峻な施工現場において、3次元データを活用した施工計画の検討を行い安全管理に取り組まれた非常に参考となる取り組みだったと思います。
 非常に急峻な地形であり、無線式の傾斜監視システムなどで避難時間を確保する取り組みを行うことも、非常に参考となるものだったと思います。

 株式会社エヌティーエスの高橋様の現場では、住宅地に隣接した急勾配な現場において、住宅を保全しながら施工するために仮設計画の変更を行い、かつ、作業性の向上が図られるなど非常に参考となる事例でした。
 また、3次元レーザー測量を採用することによって、高低差のある現場での現地測量や出来形管理時の省人化・安全性向上が図られておりました。

 株式会社フクザワコーポレーションの中沢様の現場では、施工期間が限られる中で効率化を図りながら安全に作業が行われておりました。
 生産性向上に加えまして、接触防止や過積載の防止など、安全管理の面にもICTを活用されており大変参考になる取組であったかと思います。
 また、従来人力で行う作業の安全性をさらに高めるためにパワーアシストスーツを着用したことは非常に新しい取り組みであったかと思います。

 皆様におかれましては、今後も安全管理・生産性向上に向けた取り組みを続けて頂き情報発信して欲しいと思っております。また、聴講されている皆様も、これらの創意工夫に富んだ取り組みを参考にしていただいて、現場の充実に努めていただければと思っております。
 最後に、本発表会の開催にご助力を賜りました、小山内先生を始めとする論文選考委員会並びに実行委員会、事務局の皆様、受賞者、参加者の皆様にお礼を申し上げ、私からの総括的なコメントとさせて頂きます。
 本日は、どうもありがとうございました。

全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会実行委員会 実行委員長
国土交通省水管理・国土保全局砂防部保全課 土砂災害対策室長  岩男 忠明

表彰式

実行委員並びに論文選考委員

【実行委員会】

委員長 岩男 忠明:国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部保全課 土砂災害対策室長
副委員長 大坂 剛:国土交通省 関東地方整備局 利根川水系砂防事務所 事務所長
( 監事 )
委員 吉村 元吾:長野県建設部砂防課 課長
委員 谷戸 雄紀:株式会社日刊建設通信新聞社 編集局記者
委員 大池 太士:砂防施工管理研究会 代表
委員 山本 悟:砂防施工管理研究会 事務局長

【論文選考委員会】

委員長 小山内 信智:国立大学法人 政策研究大学院大学 教授・博士(農学)
委員 岩男 忠明:国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部保全課 土砂災害対策室長
委員 大坂 剛:国土交通省 関東地方整備局 利根川水系砂防事務所 事務所長
委員 吉村 元吾:長野県建設部砂防課 課長
委員 谷戸 雄紀:株式会社日刊建設通信新聞社 編集局記者
委員 山本 悟:砂防施工管理研究会 事務局長

【事務局員】

熊澤 至朗:国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部保全課 土砂・洪水氾濫対策官
三上 紘輝:国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部保全課 砂防デジタル推進係長
廣井 幸治:国土交通省 関東地方整備局河川部 河川工事課 建設専門官
町野 高司:国土交通省 関東地方整備局河川部 河川工事課 砂防係長
酒谷 幸彦:砂防施工管理研究会 技術アドバイザー
大瀧 武:砂防施工管理研究会 幹事
萩原 弘:砂防施工管理研究会 事務局次長
長井 義樹:砂防関係コンサルタント懇話会 事務局長

ご意見・ご感想

6月24日~6月28日に受け付けましたご意見・ご感想を掲載いたします。

・厳しい施工条件の砂防現場で安全対策、施工方法等にIT技術を導入されており、その先進性に感心しました。

・参考になる発表をありがとうございました。 特に株式会社相模組の巨石据付時の落下防止対策については興味を持ちました。 今後も、現場従事者とコミュニケーションをとりながら、少しでも安心・安全作業につながるよう、皆で検討・対策していきたいと思います。

【お問合せ窓口】
 全国砂防関係工事安全施工管理技術研究発表会事務局
 (国土交通省 水管理・国土保全局 砂防部 保全課 砂防デジタル推進係)
 T e l:03-5253-8470 お問い合わせフォーム